“珈琲” 身近な生活の中の薬学の魅力
監修:東京薬科大学薬学部 臨床薬理学教室 教授 岡希太郎
“最も日常的な飲物に含まれていて身体によい化合物はなんですか?”という質問に答えると、“Answer: It may be caffeine contained in coffee, green tea, black tea, oolong tea, cocoa, and chocolate.” そして数々の栄養ドリンクにも、風邪薬にも含まれている。なぜカフェインがこれほどまでに注目されるのか? それはとても興味のある話題である。
食品成分の疾患予防効果を証明するための薬学的条件は大きく2つに分類される。薬物動態学の条件と薬力学の条件である。薬物動態学の条件としては、毎日摂取している、吸収率が良好、血中濃度が十分高くなる、有効濃度域範囲が広いというような条件で、薬力学的条件とは連続摂取可能な耐薬性、血中濃度に見合う薬効、習慣性や中毒を生じないというようなものである。さらに、Pleiotropia(ひとつの薬物が色々な好ましい薬理作用を示したり、あるいは1つの食品に含まれている複数の薬物がそれぞれ異なる種類の薬理作用を同時に示すこと)という視点もありとても面白いのである。たとえばビタミンのビタミン作用とホルモン作用のようなものもそうである。カフェインには様々な作用がすでに報告されていて、そのPleiotropiaは益々増えつつありとても興味深い物質だということである。
世によく知られているテオフィリンは、その気管支平滑筋の拡張作用、気管支の慢性炎症の抑制により気管支喘息の治療に使われている。1940年にテオフィリンが開発されるまではカフェインが使われていたという事実もある。カフェインにも同じようなPleiotropiaがあるだろうか。
◎本の紹介
珈琲の伝説から薬効研究までの歴史
伝説(?)によると、山羊飼いが山羊の興奮しているところ発見した、とある。
~1000 古代エチオピア:胃のくすり
~1500 イスラム教世界:修行僧の眠気覚まし
1600頃 イギリスに伝播:アルコール中毒の治療 欧州の薬屋が輸入して医者が処方した
長崎出島 健胃薬、整腸薬(長崎聞見録)
中国 咳のくすり(新華本草綱要)
現代の疫学調査(継続調査中のものも含む)
2000年 パーキンソン病予防効果
2004年 2型糖尿病予防効果
2005年 肝臓癌予防効果(同じく肝炎予防効果)
パーキンソン病の治験開始
アルコール性肝硬変予防効果
珈琲の煎り方によって、できあがりの成分は
カフェイン以外は全部異なります。
例)浅煎り珈琲の場合 →期待できる成分:カフェイン、カフェー酸、トリゴネリン
さあこれからどんな珈琲の研究と、珈琲のいれかた研究が始まるのでしょうか? お楽しみ
珈琲と骨粗しょう症
珈琲が大好きな更年期の女性が「骨粗しょう症に良くないので止めましょう」とお医者さんから言われたらがっかりです。言った方だっていい気分ではないでしょう。
そこで最新情報をお届けします。
まず始めは「疫学調査結果」。長年にわたって、いいの悪いのと議論が続いていましたが、昨年 5 月、スエーデン国立食品局の大規模調査結果が発表されました。内容は下記の通り。調査は 1988 年に 40 ~ 76 歳だったスエーデン女性 31527 人を対象に始まりました。平均 10 年 3 ヶ月を経た段階で 3279 人( 10 人に 1 人)が骨粗しょう症の何らかの異常(骨折など)を経験しました。
異常の発現は珈琲(=カフェイン)の摂取量と関係していました。しかし、珈琲と同じようにカフェインを含んでいる紅茶をたくさん飲んでいる人を調べてみても、骨粗しょう症との関係は見つかりませんでした。珈琲をカフェイン含量で換算して詳しく見てみますと、 1 日 330mg 以上のカフェイン(レギュラー珈琲 3 ~ 4 杯以上)を摂取した人で、かつカルシウムの 1 日摂取量が 700mg (日本人の 1 日所要量は 600mg )を下回っていた人にリスクが生じることがわかりました。
カルシウムの 1 日摂取量が 700mg 以上だった人では、珈琲を飲んでも骨粗しょう症のリスクが高まるということはありませんでした。これで少しはホッとします。では、一体カフェインの何がいけないかといいますと、つい最近になって論文が出てきました。それによりますと、カフェインはビタミン D 受容体の数を減らして、カルシウムの吸収を抑えているというのです。またビタミン D はアルカリホスファターゼという酵素と一緒に骨形成を進めているので、カフェインによる受容体の減少は二重の悪さをしていることになるのです。
さらに追い討ちを掛けているのは、カフェインが骨形成細胞に存在しているステロイド受容体を活性化しているという論文です。以上の 3 つの論文を合わせると、更年期の女性は余り大量のカフェイン(=珈琲)を飲まないほうが安全だということになります。 では、珈琲好きの更年期女性は珈琲とどう付き合えばよいでしょうか?
Q: | 更年期になったら珈琲は止めたほうがいいのですか? |
A: | 「止めたほうがよい人もいらっしゃる」ということで、みんなが止める必要はありません。 |
Q: | 私は骨密度が足りないと言われているのですが・・・・。 |
A: | そういう方は減らすか止めるのがいいですね。 |
Q: | 少しは飲んでも大丈夫ですか? |
A: | 骨密度が正常なうちなら、カルシュウムを多く取るようにすれば大丈夫でしょう。普通の牛乳ならコップに 4 杯以上ですね(コップ 1 杯に 200mg です)。 |
Q: | 骨粗しょう症の人は止めなければいけませんか? |
A: | 止めるに越したことはありませんよ。どうしても飲みたければ、デカフェ珈琲を牛乳でたっぷり薄めて 1 日 1 杯程度にしておきましょう。 |
【更年期になってからの珈琲の楽しみ方】
1.珈琲を止めて紅茶か緑茶を飲む。
2.骨に異常がなくても 1 日2~3杯までにしておく。多く飲みたければデカフェにする。
3.レギュラー珈琲を飲みたければ、カルシウムを多く取る(牛乳なら 700 m L 以上)。
4.牛乳タップリのカフェオレにして飲む。
5.骨密度が低下気味なら、専門医に相談しましょう。
お医者さんと薬剤師さんのために原著論文を紹介しておきます。>> 原稿論文のご紹介
蟻酸の香り
浅煎り珈琲の酸味の香りは朝ににあう。「レモンティーのような」とは言わないが、爽やかな気持ちにさせてくれる。正体は「蟻酸」の酸味の香りだ。
焙煎を始めて3分ほどたつとクロロゲン酸の分解が始まり「蟻酸」が大量にできてくる。7分までが勝負である。それ以後は蟻酸が蟻酸でなくなってしまう。何故か?
焙煎を始めて5分たつとトリゴネリンが分解し始め、メイラード化合物ができ始める。すると蟻酸が「待ってました!」とばっかりに、メイラード化合物にしがみつき「塩」を作って香りを隠す。やがて15分が経過すると、蟻酸の香りは完全に消える。
蟻酸の香りは消えてしまうのだが、蟻酸は「塩」となりイタリアンになっても残っている。丁度、青春の匂いが枯れてしまっても、皺の年輪を増しながら年を取るのと同じである(!?)
Q: | 蟻酸はなぜメイラード化合物と塩を作るのですか? |
A: | メイラード化合物には塩基が沢山あるので、酸と塩基の関係で塩を作ってしまうのです。 |
Q: | 塩になるとなぜ香りが消えるのですか? |
A: | 蟻酸の沸点は低い(水と同じ100℃)ので揮発しますが、蟻酸の塩は焙煎温度(200℃)でも揮発しないので匂いません。 |
Q: | 蟻酸は毒ではないのですか? |
A: | 濃い蟻酸を皮膚につけたり、大量に飲めば確かに毒ですが、珈琲一杯に15~20mg(カフェインの5~10分の1)ですから大丈夫です。 |
Q: | 蟻酸とアリ(蟻)はどういう関係なのですか? |
A: | 蟻酸ははじめアリの毒液から見つかりました。それが名前の由来です。薬の副作用に「蟻走感」というのがありますが、アリに咬まれたようなヒリヒリ感のことです。 |
Q: | 浅煎珈琲を飲んでもヒリヒリしないではないですか? |
A: | 確かに・・・。でも慣れた人は感じるのです。珈琲ソムリエの実習では「蟻酸の希薄溶液」を使って、蟻酸の味を判定します。 |
Q: | へ~~蟻酸ってすごいんですね! |
A: | もっと凄いことがアリますよ。蟻酸はウイルスに効くんです。アストラゼネカ社のホスカビルをご存知でしょう?・・・ サイトメガロウイルスの薬です。実はあの薬は蟻酸の誘導体なんです。珈琲は奥が深いですね~~。 |
コーヒーの香りの化学
(1)香りは焙煎で決まる
昔エチオピアの人々は、コーヒーを生のまま煮出していた。現在の焙煎珈琲と共通の成分はカフェインだけで、良い香りはしなかった。
モカ港のあるイエメン(アラビア半島)で、イスラム修道僧たちはコーヒーの焙煎方法を発明した。その瞬間からコーヒーは香りを楽しむ飲物に変った。コーヒーの香りって一体なんだろう?
(2)メイラード反応
加熱調理したとき食欲をそそる良い香りが生まれるのは、メイラード反応のお蔭。メイラード反応でできる化合物のことをメイラード化合物と呼んでいる。1つの食材の加熱で100~500種類のメイラード化合物ができている。
研究は100年以上も続いていて、今でも国際誌に新しい研究成果が登場する。例えばイタリア料理でパスタを炒めるとき、食用油の種類によってメイラード化合物の種類と量が変わってくる(M. Negroni, et al. Effects of olive, canola, and sunflower oils on the formation of volatiles from the Maillard reaction of lysine with xylose and glucose. J. Agric. Food Chem. 49:439-445, 2001)。
メイラード反応を勉強するならウイキペディアもよいが、最新の解説がある(P. Finot. Historical perspective of the Maillard reaction in food science. Ann. N. Y. Acad. Sci. 1043:1-8, 2005)。
メイラード化合物の体内動態についてはA. Fosterらの論文(Studies on absorption and elimination of dietary Maillard reaction products. Ann. N. Y. Acad. Sci. 1043:474-481, 2005)がある。
(3)ピラジン
メイラード化合物で量が多いのは置換基のない単純なピラジンである。よく研究されたのはメチルピラジン類(MPs)で、単純ピラジンにメチル基が4つまでついている。メチル基の置換位置と数の違いによって全部で6種類がある。自然界には単純ピラジンとMPsが広く分布している。
1.味噌や醤油など大豆の酵母菌発酵食品
2.納豆など大豆の枯草菌発酵食品(昔と今の納豆では異なる香りがする)
3.げっ歯類の雌の尿(単純ピラジンは少ない)
4.山火事の後
げっ歯類の雌の尿に含まれているMPsはフェロモンの一種で、野生における個体数の維持に寄与している。大豆発酵食品のMPsは食品に独特の香りをつけている。
MPsの匂いの特徴は化合物の種類と混合比によって複雑に変化する。この性質を利用すると、例えばシャネルや資生堂の香水にも隠し香として昔から利用されている。具体的な化合物の種類は企業秘密らしい。
納豆の香りが昔と今とで違うのは、MPsの種類の変化による(加沼緑、岡希太郎. 納豆に含まれているメチルピラジン類のHPLC分析. 薬学雑誌 124:31-36, 2004)。
(4)コーヒーのピラジン
コーヒー豆を焙煎すると3分もすれば良い香りがしてくる。豆は次第に焼けて茶褐色となり、最後は真っ黒な照りを出す。焼けば焼くほど香りは益々強くなり、はじめは甘酸っぱい匂いだったのが次第に深く成熟したコーヒー本来の香りになる。
コーヒーのメイラード化合物のなかでメチルピラジンは特徴的である。これらは体内に取り込まれると代謝されてピラジン酸(PAs)に変化する。
コーヒー1杯にMPsはせいぜい2mg程度であるが、代謝産物はビタミン B3(VB3)の仲間となり、もともと入っているVB3と合わせるとコーヒー1杯で最大5mg程度が利用できる。深煎コーヒー数杯で1日に必要なVB3を補給できる。
このように、コーヒーの香りのMPsは、香りとして楽しめるうえに、ビタミンとしても作用する貴重な成分なのである。
(5)VB3の薬理学
VB3(ニアシンまたはニコチン酸とも呼ぶ)はビタミン作用以外にも薬理作用をもっている。但しそのためには、ビタミンとしての量よりも10倍程度は多く摂取する必要がある。
本来のVB3とPAsを合わせてスーパーVB3と呼ぶことにすると、薬理作用を図のように示すことができる(L.A. Carlson. Nicotinic acid and other therapies for raising high-density lipoprotein. Curr. Opin. Cardiol. 21:336-344, 2006; A. Vogt, U. Kassner, U. Hostalek, E. Steinhagen- Thiessen; NAUTILUS Study Group. Evaluation of the safety and tolerability of prolonged-release nicotinic acid in a usual care setting: the NAUTILUS study. Curr. Med. Res. Opin. 22:417-425, 2006)。
スーパーVB3は脂肪細胞にある受容体(HM74)に作用して、血中遊離脂肪酸を低下させる。このことが引き金になって、VB3は善玉コレステロールを増やす重要な医薬品になっている。
日本では未だ売られていないが、欧米ではファイザー社とロッシュ社がスタチンと長時間作用型VB3の合剤を市販した(X.Q. Zhao, et al. Safety and tolerability of simvastatin plus niacin in patients with coronary artery disease and low high-density lipoprotein cholesterol (The HDL Atherosclerosis Treatment Study). Am. J. Cardiol. 93:307-312, 2004; J. McKenney (Review). New perspectives on the use of niacin in the treatment of lipid disorders. Arch. Intern. Med. 164:697-705, 2004)。
VB3の薬理作用を一口で言えば、「VB3はアドレナリンによるストレスから守ってくれるメタボリックシンドロームの予防薬」である。コーヒー中のスーパーVB3含有量は少ないので、有効量をコーヒーから摂取するには10杯以上は必要になる。
VB3を効率よく摂取するには、ビタミン剤として買うのが便利でしょう。ただし、副作用(皮膚紅潮と蟻走感)があるので要注意。添付文書に「高血糖」とあるのは、過剰摂取によるリバウンドです。薬剤師によく効いて上手に飲む必要がある薬です。
コーヒーの香りの化学
珈琲薬理学(珈琲を薬理学の視点から検証する)
ー 珈琲の効能を見直しましょう。
ご注意:あくまで学問的研究的視点からの見解です。珈琲そのものがお薬ではありませんので誤解無くお読みください。
第一章 カフェインの効き目を見直しましょう。
カフェインはどんな珈琲にも入っていて、色々な薬効を示します。カフェインは日本薬局方収載の医療用医薬品で、かつ大衆薬で、珈琲、お茶、チョコレートにも入っているし、ドリンク剤や総合感冒薬にも入っています。
カフェインの古典的な薬効は次の通り:覚醒作用、利尿作用、記憶力亢進作用、鎮咳作用
第二章 新たに見つかったカフェインの作用
珈琲がパーキンソン病の予防になるという疫学調査結果(G.W. Ross, et al., Association of coffee and caffeine intake with the risk of Parkinson disease.
JAMA 283:2674-9, 2000およびその後の論文)を受けて、そのメカニズムが精力的に研究されました(K. Xu, et al. Therapeutic potential of adenosine A2A receptor antagonists in Parkinson’s disease. Pharmacol. Ther. 105:267-310, 2005)。パーキンソン病ではまず脳幹のドパミン神経が損傷されることがわかっていました。最近になって、その損傷はグルタミン神経の異常な興奮に基づくことが明らかになりました。グルタミン神経の昂奮は、?アデノシン受容体A2aを高発現しているGABA神経と、?グルタミン神経自身が持っているアデノシン受容体A2aの働きによってコントロールされています。つまり、脳内に蓄積すると眠気を催すアデノシンがGABA神経とグルタミン神経の受容体A2aに結合すると、GABA神経とドパミン神経の接合部に過剰な発火が起こり、その結果としてドパミン神経が損傷されるのです。だから、眠くなったら眠ればよいのですが、それが出来ないならカフェインを飲むとよい。カフェインはアデノシンA2a受容体拮抗薬なので、ドパミン神経をアデノシンから保護してくれます。珈琲は多量のカフェインを含んでいるので、パーキンソン病の予防になると考えられて、カリフォルニア州サンノゼのカイザーパーマネンテ病院で、珈琲による治験が進行中とのことです。結果はまだ出ておりません。
第三章 珈琲を飲むタイミングが重要です
朝、目覚めの珈琲はパーキンソン病予防には余り関係していないと思われます。何故なら、睡眠中に脳内アデノシンは減少し、エネルギー源のATPに変わっているからです。朝の珈琲に必要なのは、カフェインの覚醒作用だけでしょう。パーキンソン病予防の珈琲は、疲れたときに飲むのがよい。そうすればカフェインが、溜まったアデノシンのドパミン神経損傷を防いでくれます。寝る前に飲むのが最も効果的と思われますが、眠れなくなるという副作用が気になるならば、就寝時刻の2時間ほど前に飲むのがよい。そして、その2時間はなるべくアデノシンが溜らないように、ゆったりと過ごすのが一番よい。そんな至福の一日を過ごしてみたいものである。
第四章 その他の細胞の保護作用
カフェインは神経細胞以外の細胞も保護してくれます。事前にカフェインを投与したマウスは、肝臓毒リポポリサッカライド(LPS)を注射しても死ぬことはなく、肝細胞の逸脱酵素(GOTとGPT)が高値を示すこともありません。珈琲と肝機能の関係を調べた疫学調査結果とも一致しています(C.E. Ruhl, et al., Coffee and caffeine consumption reduce the risk of elevated serum alanine aminotransferase activity in the United States. Gastroenterol. 128:24-32, 2005)。
第五章 カフェインは抗炎症薬
どうやら近い将来、珈琲に含まれているカフェインは抗炎症薬に分類されるようになるでしょう。ならば緑茶もそうではないかと思われます。確かにその通りでなのですが、これまでの疫学調査のほとんどは欧米のものでした。そのため、緑茶やウーロン茶には効果がないとされてきたのです(飲んでいる人口が少なすぎた)。この夏、日本の研究者によって緑茶と糖尿病の関係が示されました(H. Iso, et al.:JACC Study Group, The relationship between green tea intake and type 2 diabetes in Japanese adults.
Ann. Int. Med. 144:554-62, 2006)。この効果は、緑茶のカテキンであるとも考えられています。しかし、主役はやはりカフェインであろうと私は思っています。糖尿病と炎症とカフェインの関係はこれからの研究課題になるはずです。